地震・耐震用語辞典

地震用語

震源

断層

地下の地層や岩盤に圧力がかかり、ズレた断面。地震で地表に現れた断層を地震断層という。

震源

断層のズレが最初に発生した場所

震源域

地震発生に従い、断層周辺に亀裂が入った一帯。

余震域

余震の震源になった一帯。

地震帯

地震が頻発する帯状のエリア。日本は環太平洋地震帯のエリアに含まれる。

震央

震源の真上の地表のこと。一般的に震源地と呼ばれる。

地勢

プレート

海底の硬い岩盤。プレートの境界には(1)海底で岩盤が隆起する地点(広がる境界/海嶺)、(2)海洋プレートと大陸プレートの間(せばまる境界/海溝)、(3)プレート同士がすれ違う地点(ずれる境界/トランスフォーム断層)の3種類があり、それぞれプレート同士が離れたり近づいたりすれ違ったりしている。プレートの境界では地震が起こりやすい。

北アメリカプレート

アイスランドからグリーンランド、北アメリカ、東シベリア、東日本一帯の大陸プレート。日本の地震発生に関わる4つのプレートの1つ。

太平洋プレート

イースター島からカリフォルニア、ハワイ、日本一帯の海洋プレート。北アメリカプレートと太平洋プレートの境界が日本海溝で東日本大震災を引き起こした。年間8~10cmずつ陸側へ移動している。

海洋型地震(海溝型地震)

海溝付近のプレート同士の境界で発生する地震。規模(マグニチュード)が大きい場合が多く、津波を伴うことがあるのが特徴。

直下型地震

内陸部において、活断層の活動によって発生する地震。

地殻

地球の表面を覆う層で、厚みは海底で10km、陸上で30km以上。地殻は表面の花崗岩質層と底面の玄武岩質層の2つに分かれる。

規模

マグニチュード(M)

地震の規模を表す単位。アメリカの地震学者リヒターが考案。震源から100km離れた地震計の針の振幅をマグニチュードで表現。その後、目的に応じて表面波マグニチュード、実体波マグニチュード、モーメント・マグニチュード、津波マグニチュード等が誕生。マグニチュード7を大地震、マグニチュード8以上を巨大地震とする。

震度

特定地点における地震の揺れ具合を表す単位。日本では気象庁の震度階級に沿って10階級に分類される。1996年までは8階級となっており体感や建物倒壊率等、一部主観的な基準であった。現在は全国各地に設置された震度計が活用されている。

加速度

地震波を数値で表したもの。単位時間当たりの速度変化のこと。耐震の検討時にも考慮される。

ガル(gal)

地震の揺れの加速度を表す単位のひとつ。1gal=1cm/sec2。980gal=1G(ジー)。

カイン(kine)

ガルに時間を掛け、地震の揺れの強さを速度で表す単位。1kien=1cm/secで、1秒間に1cm動いたことを示す。この値が大きくなると建物の被害や室内の備品転倒に大きく影響する。

地震波

地震波

地震によって発生する波。P波・S波、表面波に分かれる。

P波

震源から地表面に最初に到達する地震波。Primary(第一の)の頭文字をとってP波と呼ばれる。上下に動く縦波の動きが特徴。

S波

P波に続いて到達する地震波。Secondary(第二の)の頭文字をとってS波と呼ばれる。水平に動く横波の動きが特徴。

表面波

S波と同程度かやや遅く伝わり、地表をゆっくりと揺らす。地表で上下方向に振動するレイリー波と、水平方向に振動するラブ波に分かれる。

震動

地震など自然現象による動きのこと。人為的・機械的な動きは"振動"という。

初期微動

P波が到達してから、S波が到達する間に発生する小さな揺れ。

津波

津波

海底プレートの断層の急激なズレによる海底地形の変化により引き起こされる波。

津波の速さ

津波が通過する海底の深さで速度が変わる。速さは9.8×水深(m)の平方根となる。海底が浅くなるとスピ ードが落ちる分、エネルギーが集中して波が高くなる。

静振

湾の水面が規則正しく揺れ動く現象。この揺れが津波の押し寄せるタイミングと一致すると、共振現象が起こり、波の高さが数倍になることもある。

波源域

津波発生に関わる海底に地殻変動が起きた範囲。

津波高

平常潮位から津波で海面が上昇した高さの差。

河川津波

河川を遡上した津波のこと。スピードが速く、河川堤防を越えて内陸部にある市街地内にも遡上する。

計測

地震計

地震の振動を計測する機械。振り子の原理を使い、揺れ動いているものの相対的な動きから測定。一般的には、東西・南北・上下の3方向に設置した多種類の地震計を使って振動を記録する。

震度計

震度を計測する機械。地震の加速度をもとに震度を測定する。

ひずみ計

岩盤のひずみを計測する機械。10億分の1のひずみでも計測可能な超精密機器。

GPS

Global Positioning Systemで地殻変動の観測に活用される。

予測

緊急地震速報

地震発生後、震源地近くの地震計が伝達の早いP波を捉えて震源地や地震の規模を推計し、強い揺れであるS波の到達時刻や震度を予測し気象庁から発表される速報。発表されるとテレビやラジオ、携帯電話等を通して速報が流れる。速報前に流れる音(報知音)に規定はないものの、気象庁ではNHKのチャイム音が強く推奨されている。

リアルタイム地震学

地震が発生した地域の地震計から通信回線で情報を瞬時に発信し、地震の発生していない地域に地震情報を発信する。 初期微動の継続時間が長い海溝型地震の方が、より大きな効果が期待できる。この地震学を利用したリアルタイム地震防災システムにJRのユレダス等がある。

ユレダス

JRの早期地震検知警報システム。地震による小さな揺れを検知すると、大きな揺れが到達するまでに列車を停止、減速させるシステム。東海道新幹線では改良版にあたるテラスが利用されている。

地震予知

警報につながる決定的な予測を地震予知といい、確率的なものは地震予測という。

前兆

地震の前兆現象としては地殻変動、地震活動、地動波、電磁気、地下水、地鳴り、発光現象、生き物の異常行動等さまざまなものが知られる。

ハザードマップ

自然災害による被害を予測し、その範囲や程度を地図に示したもの。避難経路や避難場所も掲示されており、災害被害の軽減に役立つ。
[関連リンク] 国土交通省ハザードマップポータルサイト http://disaportal.gsi.go.jp/

被害

液状化

地盤が緩いエリアで、地震の振動によって地盤が流動化する現象。地盤上の建物が傾いたり、沈んだりする。湾岸の埋立地だけでなく、内陸部でも過去に水田だった土地も地盤が緩いとされている。

地すべり

斜面のすべり面が地震の揺れに伴いすべり落ちる。土砂崩れやがけ崩れとは土地の質や発生原因によって区別される。地下水の分布が地すべりの発生に大きく影響する。

火災

地震発生時に暖房器具や照明器具が転倒し可燃物との接触して火災が発生する。また停電復旧後の配線ショートから火災が発生する(通電火災)こともある。ガスは震度5以上の揺れで自動的に遮断されるが、ブレーカーを落としたり元栓を閉めてから避難する等、対策が必要。

建物崩壊

地震による直接的な揺れや、繰り返しの震動の他、地震周期との共振効果の影響を受け建物が損壊する可能性がある。 1981年施工の建築基準法による新耐震基準の建物で、例えば阪神・淡路大震災で1階が駐車場といったピロティ形式の建物を除けば鉄筋コンクリートの共同住宅では倒壊した物件は見られなかった。1981年以前の旧耐震基準で建てられた建築物は、耐震化が特に急がれる。

法律

大規模地震対策特別措置法

大規模な地震から人々を守るために、地震防災対策強化地域の指定、地震観測体制の整備、その他防災や応急対策等の特別措置を定めた法律。1978年に制定され東海地震を想定して施行された。

地震防災対策特別措置法

都道府県知事が著しい地震被害が生じる恐れがあると認めた地区を対象に、避難路や消防施設等の施設整備計画を作成。特に市町村が公立小中学校に耐震補強等を施す際に、市町村の財政負担を軽減し、国が補助する機能が盛り込まれた。

南海トラフ巨大地震対策特別措置法案

南海トラフ巨大地震による災害から国民を保護するために緊急対策区域の指定や地震観測体制の整備等を推進する法律。地震防災対策特別措置法と同様に、学校、病院、社会福祉施設等の整備にようする国の負担割合の特例あり。

動物

ナマズ

東アジアの河川や湖沼に生息する肉食性淡水魚。安土桃山時代に豊富秀吉が伏見城築城時に家臣に宛てた手紙に「ナマズによる地震にも耐える丈夫な城を建てよ」の一文から、当時からナマズと地震の関連性が伺われる。江戸時代には安政大地震前にナマズが騒いだという記述が見られる。ナマズは電気受容能力に長け、電気変化に敏感である点から地震予知能力があると考えられている。

マダイ

肉食性で日本では高級魚。海底の音や振動を察知する能力に優れており、東日本大震災や阪神・淡路大震災の直前にはマダイの異常行動(豊漁や不漁)が見られた。

犬、ネコ

ペットして飼われている小動物。犬、ネコは人間よりも電磁波を強く感じると言われており、その結果、地震発生前に異常行動をとるとされる。例えば吠える、怯える、落ち着きをなくす、粗相するといった様子が見られる。犬、ネコの他に地中生息動物(ミミズ、蛇)も同様に異常行動を見せることが報告されている。

耐震用語

法律

新耐震基準

1978年の宮城沖地震を受けて1981年6月1日に施行された建築基準法で定められた建物の地震に対する構造基準 。 大規模地震発生時も建物が倒壊することなく、人命に被害が出ないことを基準して決められた。 阪神・淡路大震災後の2000年にはさらに大きな建築基準法改正がおこなわれ、それ以降の耐震基準は「現行の耐震基準」あるいは「2000年基準」と呼ばれている。

旧耐震基準

1981年6月1日以前の耐震基準。大地震を想定しておらず、耐震診断が必要な他、耐震性が無いと診断された場合は耐震補強工事が必要。

建設業許可

一件の請負金額が1,500万円以上(消費税込)か木造で150m2以上、またはリフォーム等で一件の請負金額が500万円以上の場合は、建設業法に基づき、建設業の許可が必要となる。有効期間は5年間。

耐力度調査

学校の場合、文部科学省が建物の構造耐力、経年による耐久力低下などを総合的に調査し、建物の老朽化の度合いを評価する調査。

耐震改修促進法

1995年の阪神大震災後に施行された、建物の耐震化の促進を目的とした法律。

建築基準法

1950年施行。建築物の最低基準を定め、国民を守るための法律。制定以来、耐震基準に関する規定は、日本で発生した地震で被った被害状況に合わせて改正されている。

市街地建築物法

1920年12月1日施行。日本初の建築に関する法律で、耐震に関する規定は見られなかった。建築基準法の前身となる法律で、1950年の建築基準法制定に伴い廃止された。

構造

剛構造

地震の揺れを受け止めるように柱や梁等を太くしっかり固定して、建物の剛性を高め、地震の力に対して変形を抑える耐震の考え方。

柔構造

部材が細く、地震の揺れに抵抗せずに建物全体が柳のようにしなやかに揺らし、地震の力を吸収・軽減させる耐震の考え方。超高層ビル等に使われる。

アイソレーター

免震装置を構成する一種。ゴムと鋼板を交互に何層も積み重ねた積層ゴムが広く使われる。地盤と建物を断ち切り、建物に伝わる地震の揺れを軽減。

ダンパー

アイソレーターと併せて活用する免震装置の1つで震動を減退させる。オイルダンパー、鉛ダンパー等がある。制震構造にも使われる。

耐震、制震、免震の違い

耐震とは主に建物の壁や柱を強くして、地震に対する耐力を上げる方法。
制震とは建物に制震装置を入れて、地震の揺れを吸収する方法。
免震とは建物と基礎の間に免震装置を入れて、地盤からの揺れの伝達を抑える方法。

地盤

不同沈下

地盤沈下の一種で、建物が不均等にゆがむ現象。建物へのダメージが大きいだけではなく、そこに住む人の健康に影響がでることもある。地盤調査や地盤補強工事が必要。建物が全体的に傾斜する一帯傾斜と、部分的に傾斜する変形傾斜に分類される。

沖積層

約2万年前より以降にできた比較的新しい地層。海や河川によって運ばれた堆積物でできており軟弱なため、地震が発生した時には被害が発生しやすい。

洪積層

約2万年前より以前にできた古い地層。建物の基礎を支える「支持層」に相応しい、強硬な地盤。

N値(エヌチ)

地盤の強さを硬さで図る値。標準貫入試験で算出される。N値が大きいと良い地盤とされ、一般住宅よりも重量のある中高層マンションなどはN値30~50以上の堅い地盤が必要。

標準貫入試験

N値を算出する試験。質量63.5kgのハンマーを76cm落下させ、試験用サンプラーをつけたロッドを30cm打ち込むのに要する打撃回数を調べる。同時に土の採取が行える。

診断

耐震診断

既存の建物が大地震に対して十分に耐える力を保有しているかを判定すること。診断の際、補助金制度がある自治体も多い。

3つの耐震診断

一次→二次→三次と進んでいく診断ではなく、精度と内容の異なる別々の耐震診断。
建物の用途・規模や、必要な診断内容を確認し、診断レベルが決定される。

一次診断主に設計図面から柱や壁の量を調査し、そこから略算される建物の強度を算出する診断方法。設計図面があれば、比較的短時間で算出できる。
二次診断現地調査等から柱と壁の強度と粘り強さ(靭性)を考慮して耐震性を算出する診断方法。柱や壁に加え、鉄筋の影響も考慮して耐震性を算出する方法。
三次診断柱や壁に加え、梁の強度も考慮して耐震性を算出する診断方法。高層建築物に適応されることが多い。

Is値(アイエスチ)

建物の耐震性能を表す指標の1つで、Is値が高いほど建物の耐震性能は高い。

Is値が0.6以上地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。
Is値が0.6未満0.3以上地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある。
Is値が0.3未満地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。

q値(キュウチ)

二次診断によって算出される建物の保有水平耐力に関わる指標値。

q値が1.0以上地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。
q値が1.0未満0.5以上地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩落する危険性がある。
q値が0.5未満地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩落する危険性が高い。

PML

Probable Maximum Lossの略称で、最大の地震が起きた時の「建物の最大損害額」が「建物の補修に必要な費用」に占める割合を示したもの。

PML(%)=(建物の最大損害額/建物の補修に必要な費用)×10
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